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ふと気がつくと、空が自分を見ていた。

その瞬間が、怖い。

特に横須賀の空は、僕が生まれてから少年になるまでの、文字通りすべてを知っている。親すら知らないことだって、ぜんぶ知っている。

「おやおや、あの子がこんな大人になってしまったよ」と、きっと言っている。
Leica IIIb + Elmar 5cm F3.5 (Tri-X)



「良くないなあ」

とは思いつつも、今は運動らしい運動もしておらず、それが故に腹の脂肪は少しずつ、かつ着実に増殖を続けているのであるが。

それでもまあ、カメラ担いでアチコチ歩き回っているので(その距離たるや相当なものである)、まだこの程度で済んでいるのかも知れない。

そんな僕もかつては野球少年であった。ちなみに僕の少年時代では(あるいはそれは地域性によるものかも知れないが)サッカーはまだ一般的ではなく、身近にあるスポーツと言えば専ら野球であった。

地元の野球チームに所属していて、一応、レギュラー。打順は5番から8番の間ぐらい、守備位置はサードかショートが多かったように記憶している。塾に通うようなヤツは、どちらかといえば珍しかった時代。明けても暮れても野球の毎日。

ところが少年時代というのは、それはそれで魅力的なことが周りに多いもので、友達に誘われて始めた釣りに、見事にハマった。

「ハマる」というのは、つまりは学校から帰ればそれに没頭し、休日が来れば朝から晩までそれに没頭する状態を指すのであって、適切な資本配分のコントロールが効かなくなるのは、大人がギャンブルや女に全てを投じてしまうのとまったく同じ理屈である。

たっぷり2ヶ月間、練習や試合をサボった。

季節が巡り、魚達も水の底の方でじっとしているようになった。ここで漸く自分は野球チームに属していたことを思い出し、ユニフォームに着替え、道具を自転車に積み込んでグラウンドに向かった。

やっぱり監督に怒られるだろうか?それとも、「久しぶりだなあ。ほら、すぐに守備につけ」なんて温かく迎えてくれるだろうか?子供心ながらに案じつつ自転車を漕ぐ。しかし、すぐにそのどちらでも無いことが分かった。

そこには、自分と同じ背番号をつけた知らない子がいて、元気に走り回っていた。

ちなみにチームの名前は「イーグルス」と言った。東北に出来た新球団を、早くも応援する気になれない僕である。
Contax IIa + Sonnar 50mm F1.5 (Tri-X)



頭を垂れ、後ろ足を引きずった野良犬。

突然こちらを振り向き、まるで丹下段平のように笑って、また去って行った。
Contax IIa + Sonnar 50mm F1.5 (Tri-X)



日曜日の午後。

たまたま出かけたひっそりとした町の、たまたま通りかかったひっそりとした神社で。
Leica M3 + Summaron 3.5cm F3.5 (Tri-X)



2004年暮れ。

今年見た、一番の笑顔。
PLAUBEL makina67 / Nikkor 80mm F2.8 (Tri-X)



カラーフィルムを使うのは、いつ以来だろうか。

RHP IIIという・・・商品名は何て言ったかな、とにかく初めてISO400のポジを使ってみたけれど、なかなかいい具合ではないか。それと、実を言うと自分でニッコールを使うのも初めてだ。なんだか、こってりとしていていい。椅子の背もたれのところの、深みのある赤の出方なんて、とても自分好みだ。
PLAUBEL makina67 / Nikkor 80mm F2.8 (RHP III)



ある朝、初対面の人と待ち合わせをした。

先方が指定してきた待ち合わせ場所は、神社の境内。

この一見、古風な待ち合わせは、実は極めて理にかなっている。不案内な土地にクルマで出向き、そこで初対面の人と会う、という場合に想定されるすべての懸案が解決されている。約束の場所に着いたらもう他にやることはなく、ただひたすら相手(と思われる人影)が現れるのを待つしかないのも素敵だ。それこそが待ち合わせというものの本質だからだ。

念のためにお互いの携帯の番号を教え合ってはおいたけれど、これが街中の待ち合わせだったら、顔を合わせる前に「今どちらですか?」なんていう無粋な事務連絡をするハメになるだろう。

待ち合わせにもセンスが必要ということだ。

話は変わるけれど、6×6の一辺を480ピクセルにしてここに載せていた関係上、、6×7も短辺を480ピクセルにしてみたのだけど・・・縦位置だと無理があるかなあ。小さめのモニタをお使いの方は見づらいかも知れませんねぇ、すみません。WindowsでIEをお使いの方だったら、F11のキーを押してやったりするとちょっとは改善するかもです。

(註:ここに写っている老婆は、私の待ち合わせの相手ではありませんので念のため。それはそれで素敵ですけどね)
PLAUBEL makina67 / Nikkor 80mm F2.8 (Tri-X)



普段、無計画に写真を撮り歩いているけれど、たまには撮りたいもののイメージを持って出かけることもある。

「冬の漁村」を撮りたくて、夜明け前から小さな漁師町を訪ねた。
PLAUBEL makina67 / Nikkor 80mm F2.8 (Tri-X)



何を考えたら
何を見たら
何を聞いたら
何と出会ったら
何と訣別したら
何を食ったら

こういう顔のジジイになれるのか。

「さすがにこの時期は寂しいですねえ」と声をかけたら、
「静かでいいや」と笑って答えてくれた。

この季節の海辺の生活を、心から楽しんでいるようだった。
Leica M3 + P. Angenieux 35mm F2.5 (Tri-X)



冬の日は短く、慌てて西に向いた浜へ移動し、荘厳な日没を見て、冬の漁村を訪ねた一日が終わってゆくのであった。

東京から僅か100km足らずしか離れていないのに、ここの人はフツーに話しかけると、フツーに返事が返ってくる。そう、「フツー」なんだよ。そりゃお互いの素性は分からないけれど「人間同士」って感じがすごくした。それが嬉しかったですねえ。この「フツー」なことが東京ではあり得なかったりするからね。

そして写真を撮らせてもらってお礼を言うのはコッチなのに、みんな最後に「撮ってくれてありがとう」って言う。信じられないよね。純粋なんだろうなあ。
PLAUBEL makina67 / Nikkor 80mm F2.8 (Tri-X)


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