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行くもよし。待つもよし。それで何かが良くなるのなら。

この「良くなる」は、決して定量的なものでは有り得ない。比較のしようがない。だから最後には君が胸を張って決めればいい。っていうか、それしかやりようがない。

泥沼を這って行けよ。

そんなにキレイに割り切れるものじゃないだろ、人生は。人の思いは。
Leica M5 + Elmar 3.5cm F3.5 (TX)



春のうららの隅田川。

もう春じゃないけど、でもまあ、だいたいそんな感じだよ。

結局、僕はこの隅田川を行き来する船が大好きなんだな。誰もが都心で乗ることの出来る、もっとも優雅な乗り物だよ。

僕が一番好きなのは浅草と竹芝桟橋を結ぶ路線なんだけど、これは竹芝桟橋から乗るのが正解。浅草から乗ると満員のぎゅうぎゅう詰めだけど、竹芝からだと休日でもガラガラだ。浅草からの帰りに乗るんじゃなくて、これに乗って浅草へ「上陸」し、ちょいと遊ぶ。これぞ江戸っ子の粋ってもんよ。

神奈川育ちの埼玉在住だけど、まあ、うん、多少のズレはいいのよ。

てやんでい。
Leica M5 + Summar 5cm F2 (TX)



7年ぶりに、高校の同窓生名簿が届いた。

高校の3年間は、楽しかった。本当に素晴らしい時代を、素晴らしい環境で、素晴らしい人たちに囲まれて過ごしてきたなあ、と心から思う。だからこそ一部の思い出が丸ごと欠落していることを、とても残念に思う。

高校の修学旅行へ行ったのは、2年生の秋だった。ただし、記憶は全く無い。「自分史」の年表の上で、旅行に行ったことを史実として知っていて、残されている何枚かの写真がそれを裏付けているだけ。つまり僕にとって高校の修学旅行というのは、源頼朝が鎌倉幕府を開いたとか、ナポレオンがセントヘレナ島に流されたとか、そういうのと同じ「歴史としての知識」でしかない。

大学4年の3月のこと。僕は車を運転していて酷い交通事故を起した。他人に一切迷惑をかけなかったのは不幸中の幸いであったけれど、頭部を強打して、一時的に記憶喪失になった。その状態が丸一日続いた後、次第に記憶が戻り始め、1つのことを思い出すと連鎖的に5つのことを思い出すような感じで、短期間のうちに僕の記憶はほぼ完全な形に修復された。ところがどうしても思い出せないものの一つが修学旅行なのだ。

面白いもので、高校の修学旅行と同時に、中学の修学旅行についても、完全に記憶を無くしてしまった。つまり、僕の脳の中では、どちらの修学旅行も、「修学旅行」とラベルのついた同じ引き出しにしまわれていて、それを開けるための鍵、あるいはパスワードのようなものを無くしている状態、なんだそうだ。

つい最近、京都へ行った。高校の修学旅行で行ったのが京都で、それ以来ということになる。清水寺や三十三間堂へも行ってみた。そこへ行けば、「ああ、思い出した!」となるような気もしたが、やはり鍵は無くなったままだった。

清水の舞台から目の上に手をかざして遠くを見るようなポーズをしている男が、色あせた写真の中にいる。コイツはいったい誰なのか。
Leica M5 + Summar 5cm F2 (TX)



Mickey is always ready for adventure and action.

かな?最後の方がよく見えないけど。

何かを始めるのに年齢なんて関係ないし、何歳になっても、やりたいことは全部出来るんだ!と、基本的には信じて疑わない。

でもその一方で、人生のある時期にしか出来ないことが確実にあって、それをきっちりやり遂げてきたかどうかを、今、この歳になって改めて問われているような気がしてならない。そして、おそらくそれは、ひとことで言えば「冒険」と言い換えられるようなものではないのか。

未来は恐くない。未来はまだいくらかコントロールの余地があるようだし、仮にコントロール出来ないことであっても、それを受け入れる準備というか、覚悟のようなものは出来ているつもり。

でも過去は恐い。過ぎたことは今さらどうしようもない。どうしようもないからこそ、恐くて恐くて仕方が無い。
Semflex / SOM Berthiot Flor 75mm F3.5 (TMX)



よく知らない街の、蒸し暑い夜には、何かが起こるような気がする。

そしてそれは、目くるめくようなことだよ。
Semflex / SOM Berthiot Flor 75mm F3.5 (TX)



目白駅前。

突然、バケツをひっくり返したような雨。雷鳴。

道を歩いていた人たちはみな、手近な屋根の下に避難する。ここに避難したのは限りなくおばあちゃんに近いオバチャン2名と、それよりは若い男2名。

いつまで経っても止まない雨に業を煮やして、オバチャン2名はそれぞれ雨の中に飛び出していった。外に出た瞬間にずぶ濡れになるほどの雨だというのに、このへんの思い切りの良さは女性特有のものか、あるいは生きてきた時間の長さや、くぐってきた修羅場の数によるものか。

そして、どーにも思い切りの悪い男2名が残った。
Leica M5 + Elmar 3.5cm F3.5 (TX)



コトバというのは、ただの記号でしかないから、自分の伝えたいことを、かなりの妥協の末に変換させたものが、辛うじて相手に伝わっているに過ぎない。

だから、その妥協のさせ方が大きな問題で、適切な記号に変換できなかったという、ただそれだけの理由で不幸な結果になってしまうことだってある。

とは言え、相手の胸の内を開いて見ることは出来ないから、僕らはその変換が正しく行われているという前提で、記号を読み解くしかない。

その前提が崩れると、それこそ面倒臭いことになる。
Leica M5 + Elmar 3.5cm F3.5 (TX)



夏の終わり。思い出すこと。思い出す人。

この夏がハッピーだった人は、よかったね。
アンハッピーだった人は、残念でした。
今、まさに戦っている人は・・・頑張れ。

でも、そろそろそのへんでいいんじゃないか。

十分やったよ、あなたは。
Leica M5 + Elmar 3.5cm F3.5 (TX)



ケムニッツへ行った写真(1/15)

去る9月15日から、ドイツ・ケムニッツにてMarko Hehl、Philippe Vandenbroeck、それに私の3人による写真展がいよいよ始まりました。そこに展示されている15点の写真を、ここでも順番に紹介させてもらいます。

現地で展示している写真には文章をつけていないので、これからここにアップしていく15点についても、いつもより肩の力を抜いて(もとより力など入れていないけれど)、使った機材のことだとか、撮った時の裏話だとか、そんなことをつらつら書いてきたいと思います。紹介する順番は、実際の展示順とシンクロさせてあります。

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これは以前、ここにアップしたことがあるものですね。

今回、ドイツで写真展をやるって決まった時に、まず頭に思い浮かんだのはこの写真でした。これが展示の一番目に来る。それだけは最初から決まっていた、そういう写真。

撮影したのは2006年の9月だったと思います。場所は浜松町の竹芝桟橋から浅草へ行く水上バスの中。この人、僕が船に乗り込んだ時には既にこの態勢だったんですよ。そのまま浅草に着くまでずーっとね。もう、ひと目見た瞬間からこの人を撮ろうって決めて、ブローニー3本、全部この人。だけどピクリとも動かないから全部同じ構図(笑)。派手な柄の傘、肩に羽織っただけの白いジャケット、そしてじっと川面を見つめる・・・演歌ですなぁ。

カメラはアンジェニューがついたセムフレックスですが、いや〜、しかしアンジェニューっていいなあ、と、アガリ見てつくづく思いましたよ。今回はA3まで引き伸ばしてPX-5500でプリントしたんですが、解像力高いし、諧調は豊かだし、何より艶かしい。恐れ入りました。
Semflex / P. Angenieux X1 75mm F3.5 (ACROS)



ケムニッツへ行った写真(2/15)

これは夕方の東京駅。東京から小田原方面に向かう東海道線の中から撮った。発車間際、ドアの脇に立ったら、刺すような西日がホームの床に反射して眩しかった。その反射と僕の間を、何人もの勤め人たちが足早に通り過ぎていく。

フィルムはTXだし、シルエットを写したいのだからズマールの絞りはメいっぱい、シャッター速度も最速の1/1000か1/500でOK。こうなるとフォーカスなんてまるで関係ないから、あとはレリーズの瞬間だけに神経を集中すればよい。

電車の中には結構沢山の人が乗っていたから、けたたましい騒音を発する一眼レフだったら使うのを躊躇しただろう。だからライカはやめられない。

1930年代のズマールはもちろんノンコート。ゆえに派手なフレアが出ているけれど、だからどうした?って感じではある。
Leica M5 + Summar 5cm F2 (TX)


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