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ここに写っている男は、僕が「仲間」と躊躇せずに呼べる人間の中では一番若い。

僕との年の差は・・・そうだなあ、法律上、僕が彼の父親である可能性は辛うじて排除されている・・・ぐらい。

昔々、僕には「仲間」が沢山居た。それが年を経るごとに親友になり、友人になり、知り合いになった。決して悪気はないことを理解してもらえるならば、「成り下がってしまった」と言ってもいい。もちろん、それは僕自身も。

広辞苑には何と書いてあるのか知らないけれど、僕の中での「仲間」の定義は、「一緒に悪企みをする相手」のことだ。

さすがにこの年になれば法律や公序良俗に反したり、あるいは他人様へ迷惑をかけたりすることは無い(と信じて疑わない)けれど、それでもやはり「悪企み」は楽しい。そうやって「何かしでかしてやろう」と考えた時に、登場人物として必ず頭に浮かぶ人間たちのことを、僕は最大級の敬意を払って「仲間」と呼ぶのだ。

と、そんなことを考えていたら、忽然と表舞台から姿を消してしまった、別の仲間のことが気になり始めて、東陽町まで「確認」しに行った。

「仲間」の定義その二。

いかに会うのが久しぶりであっても、またこの先ずっと会えないことが分かっていても、特別な挨拶があってはならない。「よお」と会い、「じゃあな」と別れる。

素敵な仲間が居る人生は素晴らしい。
Leica M4-P + Summilux 35mm F1.4 (TMY)



話を総合すると、どうやら僕が黙ってさえいれば、全ては丸く収まるみたいだ。
誰も傷つかずに済むみたいだ。
おっと、僕を除いてはね。

オーケー。
いつものアレでしょ。
馬鹿のふり。

でも「ふり」じゃなくて本物の馬鹿だったりするから、その時が来たら、狙い澄ましたように言ってしまうかも知れないな。

ねぇ、もしかして俺が何も知らないと思ってる?

ま、どっちでもいいや。
Leica M5 + Summilux 35mm F1.4 (TMY)



田中長徳が「古いカメラの光線漏れなどは、イタ車のオイル漏れのようなものである」と書いているのを読んで、上手い例えだと思った。

確かに、アルファのジュリアスーパー(この車好きなのよ)の下にオイルの染みが出来ていると言って、慌てて修理工場に持ち込んだところで、「あんたアホか」、あるいは「だったらその分、オイルを注ぎ足せばいいでしょう」と言われるのがオチである。親切な修理屋なら、「では国産の新車にお乗りなさいな」と、的確なソリューションを提供してくれるかも知れない。

宿命的にそういうトラブルを抱え易いものを敢えて愛好しているわけで、ギアの入りが悪いとか、デフから変な音がするとか、その程度のものは騙し騙し労わりながら乗ってやるのが正しい行き方なのだ。古い車を愛好している人たちは、決して完璧を目指さず、自分で手をかけながら、トラブルとも上手く付き合う術を知っている人たちが多いように思う。僕自身、古い車に徹底的に取り組んだ時期があるからよく分かるのだけど、敢えて古いものを愛でているのに、その古いものに完全を期待するのは、これは決定的にカッコ悪いことなのだ。

転じて、同じ工業製品であるカメラに、どうして僕らは完全を求めてしまうのか。作られてから50年も経つライカが老いて老朽することを許さず、巻上げの感触とか、ファインダーの曇りとか、二重像の微妙なズレとか、そんな本当に些細なことに気を揉む。やがて居ても立ってもいられずに修理屋の門を叩き、神の御宣託の如き診断結果を拝聴しては、ほっと一安心したり、バカ高い修理費用の工面を考え始めたりするのである。

やっぱカッコ悪いわ。。
Leica M5 + Summilux 35mm F1.4 (PRESTO)



古いドックのある町を、21年ぶりに歩いた。

21年前に僕がここにいた理由は、人には言えない。一つだけ言えるのは、21年前に較べれば、今の僕はとても「まっとうな」人間になったということ。

道行く人々のうちの誰かが、21年前の僕を覚えているんじゃないかと、ちょっと怖かったけれど、それは杞憂であった。あの時、必死に探した公衆電話は、どこだったんだろう。
Leica M4-P + Summilux 35mm F1.4 (TMY)



たまたま見つけて入った定食屋だったけど、あまりの美味しさに感激して、「シェフ」の写真を一枚撮らせてもらった。

いい仕事をする人はいい顔をしている、というのは社会で働いているとだんだん分かってくる事実ではあるけれど、依然としてよくわからないのは、自分の顔のことである。

自分の顔が嫌い、という人は尊敬出来ない。自分の顔が好き、という人は信用出来ない。自分の顔のことなんて今さら考えてもしょうがない。そんなことはどうでもよい。という人とは、とりあえず仲良くなれそうだ。
PLAUBEL makina67 / Nikkor 80mm F2.8 (TX)



約束は果たすためにあるのではありません。手段と目的を取り違えちゃいけませんね。約束は、その場を体よく切り抜けるためにあるんです。ナニ?違うって?いやいや違いませんよ。誰だってその筈なんです。

それが悪い結果にならないのは、約束というものが概ねちゃんと果たされているからです。果たされることによって、相手と自分、とりわけ前者が予め期待した通りの、あるいはそれ以上の結果が、常に得られているからです。「果たす」は、あくまでも手段なんです。そして、そこで副次的に生まれるのが「信用」です。

手段は常に一つとは限りません。「果たす」という手段があるなら、他の手段だってあります。「ごめん、この間の約束だけど・・・」というアレです。もちろん褒められたことじゃありませんが、誰だって身に覚えがあるので、大抵のことは許されます。そりゃあ多少のスッタモンダはあるでしょう。場合によっては「損害賠償」みたいな物騒な言葉が飛び交ったり、小指の先が落ちたりするかも知れません。でも最後にはカタがつきます。きちんと謝罪し、相応の落とし前をつけることによって、最低限度の信用は維持され、また明日から健全な人間生活を送ることが出来ます。

さて、ここで問題です。果たされもしないし、かといって撤回もされない約束はどのように解釈すればいいのでしょうか?

先にも言ったように、「約束というものは概ね果たされる」ことが前提になっていますから、約束された方はそれが果たされるのを延々と待つことになります。その間、「期待」という名の、結構バカに出来ないエネルギーがどんどん蓄積していきます。負のエントロピーです。それが飽和状態になった時、いったい何が起きるのでしょうね?

いずれにせよ、信用を失うというのは想像以上に恐ろしいことで、往々にして不幸な結果を伴います。成熟した大人として、出来ない約束は口にすべきではないし、約束したからにはそれを果たすために最大限の努力をすべきです。そして、約束が果たせないと分かったら、誠心誠意お詫びをして信用の維持回復に努めるべきなのです。

・・・というわけで、すまん。
Leica M5 + Summar 5cm F2 (TX)



精一杯着飾ったおばあちゃん。深いため息をついた後、この体勢。結局、僕らが店を出るまでぴくりとも動かなかったから、おそらくそのまま眠ってしまったのだと思う。というか、ただ眠っているだけであることを祈る。上野駅で。
Leica M5 + Canon 50mm F1.4 (TMY)



人の後ろ姿、とりわけ、ある程度のお歳を召した方のそれについて、僕はもう論文を書けるのではないか。

横須賀に住むお年寄りの後ろ姿の切なさは、全国平均と較べるとトップクラスに分類される。
Leica M4-P + Summilux 35mm F1.4 (TMY)



梅雨である。

雨宿りが好きだ。

お天気愛ちゃんが今日は雨が降りますよ、必ず降りますよ、といくら連呼しようとも、家の玄関を開けて外に出た「その時」に雨が降っていなければ傘を持たないのは、傘という、あのどうにもみっともない道具が大嫌いというのもあるけれど、降ってきたら雨宿りすればいいやと基本的に思っているからである。

人を待つのは嫌いだが、雨が止むのを待つのは楽しい。
Leica M4-P + Summilux 35mm F1.4 (TMY)



不惑に入っても相変わらず行動や発言が幼稚で周囲に迷惑をかけているのだけど、僕の普段の行いの中で唯一、年齢相応のことがあるとすれば、それは夜更けの東海道線での缶ビールとおつまみである。

これはもう、20時以降に横浜以西を走行中の、上り東海道線の車内における「たしなみ」とも言えるもので、魚肉ソーセージの包装を上手に開けられる(これはもちろん、端を奥歯で挟んでぐるぐる回すのが正解だ)ようになった自分を発見しては、これで「一人前のオヤジ」を自称できるようになったと、ある種の満足を感じたりもするのである。

最近、これがさらに「いいかんじ」になってきたのは、車内に忘れ物をするようになったことである。

酒飲む → 熟睡する → 慌てて降りる → 忘れ物する

もう完璧ではないか。今週は夏目漱石の「硝子戸の中」を忘れた。これは僕の座右の書の一つであって、もう何度も読み返しているものだけど、実は車内に忘れたのはこれで二度目である。

きっと誰かが(おそらく僕の後にその座席に座った人が)その本を手にした筈だが、その時の反応はどうであったろうか。表紙を見て、「はァ?夏目漱石?」と、そのまま戻される確率が95%。「へぇ、漱石かぁ」と、僕の代わりに続きを読んでくれる確率が5%。「どうして今度もまた『硝子戸の中』なんだ?」と思われる確率も、極めて小さいがゼロではない。
Leica M4-P + Canon 35mm F1.5 (TMY-2)


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